2012/04/26

とはいえ「(あるゲーム機)で出してくれよ…」と言いたくなることはある

昨日の今日でおまえはなにをいっているのだ、と言われそうだが、タイトル通りなのである。前に書いた通り、そういう願望自体は何ら責められることではないのだ。

たとえばFPS/TPS。これらはXbox360でリリースしていただきたいという思いがかなり強い。これはもっぱらそのコントローラの優秀さによるものだ。もうあちこちで言われていることだが、Xbox360のコントローラはアナログ入力部分(スティック、トリガ)の作りが本当に素晴しい。ストロークの長さといい、入力に必要な力加減といい、ほとんど文句のつけようがないレベルといっていい。実際のところ、両機種持ちで「PS3コンの方が好き」という人はかなり少数派なのではないか。それほどの差が、それこそ慣れや好みでは超えられないほどの差が存在する。

同じ理由で、車ゲーもXbox360が望ましい。要は、アナログ入力の精度が大事なゲームはXbox360だといいなあ、ということである。Trials EvolutionをPS3コンでやれ、と言われたら死ねるわおれ…もっとも「車ゲーやるならハンコン買えよ」という話もないではないw

逆に「でかいゲーム」はPS3がいい、という話がある。これは単純に、DVDしかサポートしていないXbox360ではメディア枚数が増えちまって面倒、ということである。HDDへのインストールが可能ならよいのだが、(おそらくHDD非搭載機への配慮のため)それは許されていないようだ。「ゲームプレイには関係ないからいいじゃん」と言えたら幸せなのだが、何だかんだ言ってメディア差し替えはぶっちゃけ興醒めである。CDチェンジャーみたいなのどっかにねえかなあ、とか。

あと、「プレイ人口が日本に偏在するであろうゲーム」もPS3がいい、というかこれはまあ理由としては微妙だが、そういうゲームは最初からPS3で出ることが多いのでそもそも選択肢がない。

ここまで書いて、しかもPS3/Xbox360についてしか触れてないなあ、ということに気がついた。が、Wiiで出たゲームはその多くが「Wiiコン活用してるゲーム」であったり「任天堂がリリースするゲーム」だったりするのであまり他で出せという思いはないのだ。零やゼノブレを他機種で出せなんて意見を言う人は、「なぜ任天堂からこれらがリリースされることになったか」をちったあ考えてみよう。おれは京都方面に足向けて寝られないよホント…これらのタイトルやレギンレイブ、パンドラの塔あたりで十分元が取れてお釣りがくるので、今からでもWii買えよ(ステマ

携帯機系についてもそれほど強い思いはない。「PSPゲーは全部DL版用意して、Vitaでプレイ可能にしてくれ」ってのと「RPGやシミュレーションみたいなゲームは携帯機がいいなあ」くらいだろうか。後者は否定的な意見が多そうだが…

あ、ひとつ重要なものを忘れていた。

ギャルゲーである。全てのギャルゲーは携帯機に集まってくれ、というのがおれの大変切実な願いである。なぜか?所帯持ちになればわかる。みんな一度、嫁さんに虫けらを見るような目で見られるあの瞬間を味わってみればいいんだ…

2012/04/25

「なんで(あるゲーム機)なの?(別のゲーム機)で出すのが普通だろ」という物言い

ツイッターをつらつら見ていると、何かゲームの発表があるたび「○○で発売とか止めてくれ。△△で出たら買うのに〜」的なツイートを目にする。最近では、任天堂ハードでリリースされるゲームに対してこういうパターンがままある。で、それに対し「そんなにやりたきゃ本体ごと買えよ」という返しがあるのも半ばお約束となっている。おれもそういうことを度々言っている、気がするw

実際、「△△で出たら買うのに〜」というツイートは情報量0かつ他人にとって何も面白みもなく、ちょっとキツめの言い方をするなら「自分は特定のハードウェア信者である」という告白、もしくは「本体買うほど思い入れはありませんけど欲しいポーズとってみました」という宣言以外の何物でもない。

いや、「△△で出てくれないかなあ」という願望を持つのはいいんだ。そりゃおれだって全ての据え置き機用ゲームがXbox360に集まれば幸せだろうし、PSPでリリースされているゲームが全てVitaでプレイできるようになれば泣いて喜ぶ(こっちはソニーが率先して進めるべき、とは思っている)。ただ問題というか、微妙におれをいらつかせ悶々とさせてくれるのは、そういう願望に程度の低い屁理屈を結びつけて正当性をアピールするような連中なんだ。「ゲーマーなら△△版を望んでいるはず」とか「客層考えて△△にすべき」とかね。

例として、ちょっと前の話だが以下を挙げておく。

買わずに移植を願う人々

その後の「買わずに移植を願う人々」

挙げておいて何だが無理してまで読まないでほしいw。とくに後者には時々想像を絶するのが混じっている。あ、PS3/PSP/Vitaで出せというのが目立つのは、単に人口比の問題と、特にXbox360ユーザはこのハード買った時点で達観してる人間が多いand/or複数機種持ちが多いから、というだけだと思う。

最近だと、3DSでリリースされるカルドセプト新作あたりもこういう人々の対象になっている。DSで出た前作をプレイしていれば、携帯機との相性のよさ、2画面との相性のよさくらいわかるだろうに…

2012/04/20

気がつけば積みゲーの山

まあ、タイトル通りなわけだが、地味に最近はゲームが豊作すぎて困る。ざっと挙げてみても、

  • 新パルテナ
  • FE覚醒
  • Legend of Grimrock
  • League of Legend(リリースされたのは「最近」じゃないけど…)
  • FEZ
  • Trials Evolution
  • PSO2 クローズドベータ(期間限定だけど、とりあえず)

3DSが2本、PCゲーが3本、でXBLAが2本というバランス。まあ、会社勤めのいいおっさんにゃ消化できるレベルではないなこれ…しかし全部別の方向で楽しいので、どれか切るとかそういう選択肢はなく地獄の並行プレイを断行するのみである。あ、いくつかはそのうち何か書いときたいなあ。で、この先も、

  • シェルノサージュ(ま、あえて人には薦めないけど)
  • Diablo 3(もう一ヶ月切ってる!)
  • ドラゴンズドグマ
  • 重鉄騎
  • Hawken(これホントすげえ楽しみ。ロボゲー最後の星、ってくらい期待してる)
  • and more...いや、たぶん他にもいろいろあるんだけど思い出せないw

いやいやいや…Diablo 3が出たらしばらくは潜りっぱなしになる気がするけど、どうなることやら。

2012/04/17

Legend of Grimrock : クリアしてみて思ったこと(ネタバレなし)

とりあえず、Legend of Grimrock(以下LoGとする)をクリアしてしまった。簡単に指摘できる欠点だってあるのだが(たとえば移動キー入力に対する反応。先行入力が効きすぎる感覚がある)、終わってしまうのがもったいないくらい楽しめた。

知っている人は知っているように、LoGというゲームはDungeon Master(以下DM)やEye of the Beholder(以下EotB)という昔のゲームに強くインスパイアされている。どちらも3D表示、リアルタイム戦闘、空腹度の概念、謎解き、比較的シビアなバランス…といった点で共通点があるゲームである。

おれはEotBのプレイ経験はないのでそちらについては言及できないが、DMに関していえばあの当時(1987年、実に今から26年前のゲームである!)、一人称タイプのRPGにリアルタイムのゲーム進行、という概念を導入したのは画期的なことだった。

で、LoGのプレイ感覚はDMのそれに近い。すくなくとも記憶の中のDMにはかなり近い、と言える。しかし、それはあくまでもプレイ「感覚」であって、実際のところ、かなり今風にアレンジされている。

その例としてまず挙げられるのがグラフィック。DMが1987年の作品であることを考えると当然ではあるが、暗く湿った質感が表現された迷宮が滑らかに動くさまは、DMとは比較にもならない「リアルさ」を体験させてくれる。モンスターも種類こそそれほど多くないが、それぞれ特徴的な外見と動きで迫ってくる。巨大グモやカタツムリなど、苦手な人にはかなりキツいんじゃなかろうかw。また、サウンドもグラフィック同様に進化しているが、ただ、女性PCの悲鳴が男声なのはどうかと思うw。まあ、そもそも性別という概念がないため(ポートレート画像としては女性も存在している)仕方ないことだとは思うが。

さて、これらは基本的に「ハードウェアの進化」によって可能となったアレンジで、言わば「昔はできなかったことが可能となった」ことによるアレンジである。よくグラフィックの進化をことさらに軽視する人がいるが、ゲームをプレイして得られる感覚として視覚要素が大きなウェイトを占めていることは普通に考えればわかるはずだ。LoGにおいても、グラフィックが進化したからこそダイレクトに知覚できる仕掛けが存在している。「グラフィックばかりに力を入れて他はテキトー」なのは確かに問題だが、「グラフィックなんかどうでもいい」なんてことは断じてありえない。

一方、プレイ感覚そのものに対するアレンジも多く存在する。

たとえば、DMでは「空腹度」と「渇き」が明確に区別されていたのだが、LoGでは前者のみに簡略化されている。「スタミナ」パラメータも存在しない。もっと言えば、DMほど餓死を警戒する必要がないバランスになっているように感じた。難易度がどう影響するかは不明であるが、ノーマルでプレイしている限りさほど神経質にならなくても問題ないと思われる。戦闘バランスも、(ちょっとこの辺DMに関する記憶があいまいなのだが)マイルド方向への調整がなされており、シンプルなシステムになっているい。また、スキル要素も「今風」な仕組みと言える。

さらに、迷宮に仕掛けられている罠や謎に関しても、DMに比べてやや緩め。ハマった瞬間即死する罠はないし、メインプロットにはアホみたいな難度の謎は「ほぼ」存在しない。もっとも、DMもそれほど理不尽なゲームではなかったが。

このように、LoGはDM(やEotB)が元々持っていた「楽しさ」を整理した上で、それを失わずにプレイアビリティを高めるようなアレンジがなされている。とまあ、こんなことを考えていて思い出したのが以下のまとめである。

ソーサリアンiOSの話から発展して、ゲーム開発者のリメイク話

もちろんLoGはDMやEotBの「リメイク」ではないのだが…いやホントその通りだよなあ、と。

2012/04/12

Legend of Grimrock : ファーストインプレッション

てことで昨日深夜無事に(実はpre-order組はSteamがらみであまり無事ではなかった…)リリースされたLegend of Grimrock。就寝前に1時間ほどプレイしたのでとりあえずの感想というかウォークスルーというかそんな中途半端なテキスト。画像とかはそのうち。

オープニングはムービーなどはなく、グリムロック山の迷宮を探索せざるを得なくなるまでのお話が紙芝居的に語られる。この絵が雰囲気があっていい感じ。

ゲームスタート時には潜るダンジョンと難易度を選択する。現状ダンジョンは「Grimrock」のみだが選択可能になっていることで、公式DLCやMODでの展開が最初から考慮されていることがわかる。また、難易度はゲームスタート後の変更はできないので注意。

次にキャラクター生成。プリセットを使うか自分で作るかだが、とりあえず何でも弄り倒したいオッサンなので後者を選択。キャラクター生成は今時のゲームに比べるとかなりシンプル。種族は人間、ミノタウロス、リザードマン、インセクトイド(昆虫タイプのヒューマノイド、らしい)の4つ。職業はファイター、メイジ、ローグの3つ。

キャラクターのパラメータは基本能力値としてStrength、Dexterity、Vitality、Willpowerがあり、選択した種族によってそれぞれデフォルト値が設定されている。これにボーナスポイント10ポイント(固定)を好きに割り振ることができる。この基本能力値と種族からHealth(ヒットポイント)、Energy(マジックポイントだが戦士系職業の特技使用でも消費される、らしい)が決まる。

また、このゲームにはスキルシステムが存在する。キャラクター生成時に割り振ることのできるポイントは種族によって違い、人間は4ポイントだがミノタウロスは1ポイントのみだったりする。

上記に加え、TRAITというものがある。文字通りキャラクターの特色を表わすもので、AggressiveとかFist Fighterとか、Strong Mindなんてものが存在する。Fallout3にも似たようなシステムがあったが、あちらはどのTRAITにも必ず「利点/欠点」が存在するのに対しこちらは「利点」しかない、という違いがある。

こんな感じでキャラクターを4人生成して探索開始だ。前置きとかそういうものはいっさいなく、いきなりダンジョンに放り込まれる。すばらしい。壁に設置されたたいまつを手に取り、先へ進もう。

基本的には、コンセプトである「今の技術で(リーズナブルに)ダンジョンマスターを作ってみました」というものが実によく表現されている。グラフィックは現行のパワフルなゲームに比べりゃそりゃ簡素だが、ダンマス当時とは比べものにならないほど精細で、地下迷宮の暗くジメジメした雰囲気がよく出ている。それは登場するモンスターも同様で、最初に現われる巨大カタツムリの質感がけっこうキテる。

操作は基本WASDベースのキー操作、攻撃その他はマウスで行う。移動については矢印パネルを表示してマウスオペレーションも可だが、正直難度が相当上がると思われるのでお勧めしない。このゲーム、戦闘時はヒット&アウェイが基本になるので、移動をマウスにしているとかなり辛い。

その戦闘だが、バランスは結構キツめである。休息することでHealthもEnergyを回復できるのでついノーガードで殴り合いたくなるが、囲まれたらさすがに死ねるし、敵が基本リスポーンしないこのゲームでそれをやると後で食糧難に陥ってそれこそ詰む可能性が高い。そう、書き忘れていたがこのゲームには食糧の概念が存在する。入手法は落ちているものを拾うか、敵からのドロップであり、つまり敵がリスポーンしない以上入手できる食糧も有限、ということだ。

とりあえず1時間で最初のフロアを踏破し、次のフロアで全滅するw、というところまでプレイできた。仕掛けは結構多く、最近のゲームのように重要なオブジェクトが強調表示されたりはしないので、この手のゲームに慣れていないといきなりハマるかもしれない。少なくとも1階には「詰む」ような仕掛けは存在しなかった(と思う)ので、ここで勘所を掴んでおくとよい、たぶん。

こんな感じで、ちょっとプレイした限りでは当初期待していた通りの出来だった。海外レビューがどれも「難易度キツいぞ覚悟しとけ」的論調だったので今後が心配ではあるw

Legend of Grimrock : マニュアルの序文を日本語にしてみた

2012/04/13 追記:grimrock @ ウィキ - 日本語訳によりこなれた訳が載っているのでそちらを参照することをお勧めする。一応、当該ページにはネタバレはない、と思う。



てことで、個人的に相当期待していた「オールドスクールRPG」、Legend of GrimrockがSteamその他で購入可能になった。おれはpre-orderしていたので事前にマニュアルその他に目を通していたのだが、とりあえずその導入部分を日本語にしてみたので晒しておく。とくに許諾を得ているわけではないので、もしクレームその他がついた場合には光の速さで公開停止する。また、機械翻訳よりはマシという程度なので(通しで推敲など当然していない)、もし妙な記述などがあった場合は100%おれの責である。そのあたりを了解してもらえる人のみ読んでほしい。

実はほぼ全部日本語にしてみたのだが、いわゆる「マニュアル」部分はおそらく必要ないだろうというくらいシンプルかつ平易なのでとりあえず。






老いた賢人の戯言

where a few observations are made at the top of the world and some light is shed on King's Justice.

あの聳え立つ頂を見よ!Grimrock山に関しての口伝は不足しており、書かれたものとなるとほとんど存在しない。この山の超常的な高い頂は、我々の王国北方の国境にあるDearthfang稜線の中央に聳え立っている。私はこの偉大な場所を訪れる機会があった。これは、この「世界の頂点」への滞在中に行った観察を記録しようという、つつましやかな試みを記したものである。

Grimrock山にもっとも近い村はThraelmである。この村は山から馬で7日間のところにある、さびれた採掘業のコミュニティだ。この距離からでさえ、Grimrockの頂上は他に見えるどの山よりも高く聳えた姿をぼんやりと晒している。それはまるで、神聖な力が地上から巨大な釘を打ち付けたかのように突き出している。その岩壁はとても急でほぼ垂直であり、登攀は不可能だ。実際、頂上にたどり着く唯一の方法は飛行船だ。

王の庇護下で、私は飛行船による頂上への旅という珍しい経験をする機会に恵まれた。私はとても不快な仲間-ひどく臭う囚人たちとその護衛と同行した。囚人たちは最終試練のために連れてこられていた。

我々は日の出とともに頂上に到着した。そこは決して忘れようのない景色だった。山は霞のような雲に覆われ、昇る日の光はその雲を通して紫の光線となって、頂上の奇妙な形の岩や遺跡を照らしていた。大気は凍て付くようで、不気味なほど静寂だった。そこに生命の兆候は存在しなかった、齧歯類や鳥類すらどこに見当たらないだけでなく、植物も生えていなかった、飛行船の船長は巧みな操船で鋭い岩を回りこみ、数十年も前に王の命により建造された、腐った木のプラットフォームに船を停めた。

頭巾を被った巨像群を通り過ぎて歩いていくと、ふいに私は彼ら…頭を垂れ、衛兵に囲まれながら私の後ろを歩く4人の囚人の運命を考え、良心の呵責に苛まれた。私は身震いしたが、彼らは犯罪者たちであり、有罪を宣告されるからには、このような酷い仕打ちを受けるのは当然なのだ。奇妙なことに、王立図書館にある歴史書にはこれらの像や遺跡に関する記述は一切存在しなかった。私にはこれらが非常に古いもの、おそらく王国成立前のものであるという推論をするのがせいぜいであった。この巨大な像は人間5人分の高さがあり、単一の岩塊から削り出されているように見えた。像は時間の経過に抗うかのように立っており、天候やこの頂上で常に吹いている風による風化の兆候はほとんど見られなかった。私は、おそらくこれらの像を維持するようにかけられている魔法のオーラをかすかに感じることができた。

リング上に配置されたそれらの像の中心にはGaping Maw、未だまったく不快なほぼ完全な円形の落とし穴があった。そこから漂う鼻をつくような悪臭と煙は、私の目をひどく刺激した。王の使いの者が囚人たちにこの穴の周りに集まるよう命令し、裁判の準備をする間、私はこの頂上を歩きまわり、測量を行った。私は、この穴が頂上の地理的な中心に正確に位置しており、自然にできたものではありえないと結論した。

過去にもこの穴の奥への探検が行われたが、ただ一人の例外を除いて誰も戻ってこなかった。その探索隊は勇猛な戦士であり敬虔な騎士でもあった、Perel伯爵が率いたものだ。トーチ、重装鎧、剣、クロスボウ、さらに1週間分の食糧を持ち、Perel伯爵は12人の勇敢な部下とともにこの深淵を降りていった。それから3日後、たった一人の生き残りが暗闇から姿を現わした。彼はPerel伯爵の従者であり、ひどく発熱し瀕死の重傷を負った若者であった。彼はその日の晩に命を落としたが、それまでにその目で見てきたことを報告することはなかった。熱に浮かされながら、彼は数階層下の曲がりくねったトンネル網で迷っていたことを気が触れたかのように喋りつづけた。彼は、恐るべき罠が彼らに液状の炎を浴びせ、同行者の顔を溶かしていく様子を恐怖にかられ金切り声で叫びつづけた。Perel伯爵は袋小路で巨大な岩のブロックが天井から降り、彼が探検していた通路を塞ぐ罠にはまった。

同行者の何人かが死に、伯爵の死によってそのモラルが揺さぶられた彼らは、奇妙なことに中央に浮かぶクリスタルから冷たく青い光で満たされた、埃で覆われた広間にキャンプをはった。休息の間、闇の生物が現われた。見張り役は、突然現われた巨大カタツムリが鎧を急速に溶かしてしまう酸を吐く前に、仲間に危険を知らせるのがやっとだった。さらに、従者が大きなカラスとワイバーンの交雑種と表現した、奇妙な翼を持つ生物の群が彼らを襲った。この空飛ぶ怪物は甲高い声をあげ、彼らを爪で引き裂き、彼らの上を覆い尽した。巨大な蜘蛛や、毒性のガスを発生するマッシュルームのような生物が素早く近づいてくるころには、彼らはハエのように床に転がっていた。しかしこの従者は逃げ出し、なんとか広間の入口まで戻ると、残してあったロープを登り脱出した。その晩、彼が死ぬ前に言及した最後の言葉は、暗雲の中で回る歯車に吊るされるという幻覚と、熱にうかされて見ていた夢についてのことだった。

私が法廷の「胃」に戻るころにはもう準備が整っていた。王の命により、Grimrock山頂での試練のため、毎年屈強な男女が王国中の監獄から集められた。そこで彼らは名誉を回復する最後のチャンスを与えられた。あなたも知っている通り、王は激烈であり、まさにそのように行動していた。未だGrimrock山の秘密を暴くに十分な勇敢さを備えた者はいなかった。いつかそのうち、こうして集められる犯罪者の誰かが、王の部下に為し得なかったことを完遂するだろう。勝利を掴みここから脱出し、この古代の地下迷宮に対する王の渇望を満たすことだろう。

私は再び、新しく連れてこられた恐ろしい囚人たちに目をやった。彼らの眼には決意が感じられた。それは、どんなことが地下で待ち受けていようと生き残る、という意志だったのかもしれない。彼らは足枷で互いに繋がれていたため、1つのチームとして行動することを強制されていた。しかし彼らは武器を持たず、ボロ布を纏っているだけだった。これまでの探検が全て失敗に終わっている以上、彼らにどんな望みが持てるだろう? しかしこの犯罪者たちは失うものなど何一つ、勝利するための自由すら持っていない。もしかしたら、それが違いとなるだろうか?

私は、彼らが衛兵によってこの穴に突き落とされた時に発した、その叫び声の響きが未だに忘れられない。

From the Memoirs of Magister Alarast
Sage of the Royal Library

2012/04/10

Hack, Slash, Loot レビュー

さて、Steamでは相当数のインディーズゲーがリリースされているのだが、これもその中の一つ。ハクスラゲーで何か楽しいのないかなあ、と探していたら「Hack, Slash, Loot」こんな身も蓋もないタイトルのゲームがあった&40%オフで$4.19だったので思わず開発してしまった。ただこれ、日本でよく言う「ハクスラゲー」ではない。公式サイトは以下。

Hack, Slash, Loot

この「Hack, Slash, Loot」というゲーム、中身はかなりシンプルなローグライクゲームである。ドット絵などの雰囲気はかなりよいのだが、ゲームの中身がちょっと残念であった。いくらなんでも、ゲームをシンプルにしすぎなのである。HPの自動回復がないため一度くらったダメージはポーションなどで回復させるしかないのだが、このゲームおそろしいことにアイテムを持ち運ぶ、という概念がない。装備系のアイテムは「現装備と交換して装備する」しかなく、消費系のアイテムは「その場で消費する」しかない。その割に戦闘バランスはけっこうキツめ(被ダメージが大きい)なので、正直運ゲーの要素がかなり強い。

まあ、これはこれでありなんだとは思う(この価格であれば、という限定で。公式サイトでは$10となっていて、これだとちょっと割高感がある)。実際、プレイしててそれなりに楽しいのは確かだ。ただ、おれがやりたかったのはこういう方向性のものではなかった。せめてもうちょっとバランス調整してくれればずいぶん化けると思うのだけど…

そもそも、探していたのは「ハクスラゲー」じゃなかったのか、という話はまあそれはそれ。

2012/04/09

新・光神話 パルテナの鏡 : おっさん向け神器いろいろ

てことで毎日パルテナ三昧なわけだが、おれのように反射神経の老化が始まってくると、使う神器をそれなりに考えないとツラい。まあひとそれぞれだと思うのだけど、個人的には、

  • 射撃の誘導強め
  • 弾サイズ大きめ

の2点は外せない。要は、おっさんに精密なエイムなぞ望むべくもないので、適当にぶっぱしてもそれなりに当たってくれる神器がほしいわけだ。

そう考えた時、個人的に使いやすいのは以下の2つだった。

  • 月光の破掌
    さきほど挙げた2つの条件をかなり高いレベルで満たすのがこの神器。弾速こそ遅いが、誘導性の強さと弾の大きさのため意外と当たる。射程距離も長め。さすがに1vs1で発射を見られていると躱されやすいので、相手をちゃんと選んで、隙を見て前ダッシュ射撃をきっちり当てていく神器。近接は正直使えないが、懐に入られないような立ち回りでカバーできればたぶんシチュエーションを選ばず戦える部類。ため攻撃はそれほど威力アップがなく、弾速もかなり遅いかわりに相殺性能が高い。
  • パンドーラの射爪
    射爪とは思えない射撃の優秀さを持つ神器。誘導性が高いくせに威力も高め、とちょっと厨仕様。ため射撃、ダッシュ射撃ともに使い勝手がよい。ダッシュ射撃は弾が2分裂するため当てやすいが、特に横ダッシュでは当て方を工夫しないと一方しか当たらずダメージも半分、というケースが多発する。近〜中距離戦が主戦場なので操作の難易度は月光の破掌より上かもしれない(操作が忙しい、という意味で)。
    月光の破掌より射程は短いが、近接もこなせる。通常、射爪は近接5連まで入るのだが、この神器は3発目が相手を打ちあげてしまうのでそれ以降繋がらない。そこで、打ちあげた後相手の落下位置に後ためダッシュ攻撃を置いておくときっちりダメージがとれる。狙える場面はそこそこあるので練習しておくのをおすすめする。

ただし、このゲームは神器にどんなスキルがついているかも大きなポイントなので、「ぱっとしないスキルのついた強神器」よりも「スキルががっつりついた弱神器」の方が「強い」場合もあるかもしれない。

あと、個人的に好きな神器として以下を挙げておく。

  • ナチュレの破掌
    いわゆる「痛破掌」。ナチュレイラストいり、ぶっぱなせばハート乱舞…と、ナチュレ様への忠誠心を激しく試される神器。しかし使ってみると相当強い。誘導性は上2つには劣るもののそれなりで、弾速が速いのでかなり当てやすい。ダッシュ射撃は連射タイプで使いやすく、特に前ダッシュ射撃は全弾命中でかなりの高ダメージとなる。さらに、ため射撃は多段ヒットし、これも高ダメージが期待できる。で、ため射撃、どうも状態異常スキルがついているとヒットした多段のそれぞれに状態異常が乗るっぽく、麻痺属性あたりがついているとかなりえげつない。近接は正直よくわからない。射撃性能がよいので、自分からわざわざ仕掛けていく必要はないように思う。

今のところ、これら3つが使いやすいと感じている。ただ、まだそんなに色々試しているわけではないので、きっと他にも使いやすかったり楽しかったりする神器がたくさんある、ような気はする。

2012/04/03

新・光神話 パルテナの鏡 : 神器漁りは茨の道

このゲームでは武器のことを「神器」と呼ぶ。これは、ストーリーモードの各章の宝箱や敵ドロップとして入手できるし、マルチ対戦をすることでごほうびとして手に入れることができる。また、パルテナ様からハートと引き換えに授けていただいたり、すれちがい通信でも入手することができる(この場合実際に入手できるのは「タネ」であり、神器にするにはハートが必要)。

さて、神器には9つのカテゴリがある。それぞれ「撃剣」「狙杖」「射爪」「神弓」「破掌」「巨塔」「爆筒」「衛星」「剛腕」となっており、カテゴリごとに特徴がある。平均的に何でもこなす「撃剣」、遠距離に適性を示すが打撃には期待できない「狙杖」といった具合だ。各カテゴリには十数種類の神器が存在している。たとえば、「撃剣」には「最初の撃剣」「撃剣マルチシューター」「王者の撃剣」といったものがある。

で、神器にはその攻撃力を示す「射撃」「打撃」パラメータが存在する。星の数が強さを表わしているが、単純比較できるのは同一カテゴリの神器の場合のみである(星3つの神弓と巨塔が同じ攻撃力、というわけではない)。さらに神器には最大6つのスキルが付与されており、これがその神器を特徴づけている。スキルは「全防御+2」のように名称に効果の強弱を示す数値が付いている。場合によっては「ダッシュ射撃-3」のようにマイナスの場合もある。

これら「射撃」「打撃」「付与スキル」による神器の強さを示すパラメータとして「価値」がある。攻撃力が高いほど価値は高くなるし、付与スキルが多いほど、またプラス数値が大きいほど価値は高くなる。というより、むしろ価値がその神器の容量を示していて、それに入れられるだけの射撃、打撃、付与スキルが入っている、というのが正しい理解のようだ(桜井政博さんのツイートより)。

こんな感じなので、自分の好みにきれいにはまる神器を手に入れるのはなかなか至難の業である。おれは「月光の破掌」という神器が好きなのだが、これをたまたま拾うだけでもかなり運がよくないとダメ。さらに攻撃力が高くてスキルに恵まれてて…なんてのは正直無理ゲーである。

一方、神器は「融合」することができる。これは、2つの神器から新しい神器を作るというものだ。融合によってできる神器は、その基となった2つの神器の強さやスキルを受け継ぐ。自分の好みの神器を「拾う」だけで入手するのは前述の通り大変キツいので、融合には大変お世話になる。

しかし、融合の際には基の神器にないスキルが付与されることはないし、スキルが強くなることもない(○○○+1が○○○+2になることはない)。また、強いスキルほど受け継がれづらくなっている。結局よいスキルを持つ神器を拾い、これを基にしてよいスキルが受け継がれるように融合を進めていくという、なかなかに気の遠くなる作業が必要なのであった。

まあ、そうやって突き詰めていくことも楽しいのだけど、有り物でプレイを合わせてテキトーにというのも楽しいわけで、あまりそっち方面に舵を切るのはゲームの面白さをむしろスポイルしちゃうんじゃないかなあと思いつつ、貰った神器のスキル見て一喜一憂する毎日。

2012/04/02

新・光神話 パルテナの鏡 : ストーリークリア&マルチ対戦が楽しい

とりあえずストーリークリアした。全体を通してみるとボリュームがあるんだけど、一気にクリアした感じ。お話も楽しいし盛り上がるいい感じであった。ラスボス戦が個人的にはちょっと残念だったけど、最近プレイしたゲームの中では一番面白かった、って言っていいかなあ。またホンキ度上げての挑戦とか、やることはやまほど残っているわけだが。

ま、てことでとりあえず1周したので、放置していたマルチに手を出してみた。対戦ルールは以下の2種類が用意されている。

  1. 天使の降臨
  2. バトルロイヤル

まず「天使の降臨」から。これは3vs3のチーム戦、各チームにチーム力というHPのようなものがあり、撃破されるとこれが減少される。で、0になるとその時撃破されたプレイヤーが「天使」となり、これが倒されると試合終了。撃破された時に減るチーム力は使用している神器の価値に比例するので、腕に自身のない人が無闇に高価値な神器を使うのはお勧めしない。

次に「バトルロイヤル」だが、これは要は自分以外みんな敵、というわかりやすいモード。倒せばスコアが上がり、倒されれば下がる。この上下にも神器の価値が関係する。で、タイムアップ時点のスコア順に順位が決まる。

今のところ前者ばかりプレイしているが、ガチさとユルさがいい感じでバランスしていて、腕の善し悪しにかかわらず楽しめるように思う。また、試合終了時にランダムに神器や奇跡が入手できることがある。これの確率に勝敗は関係せず「積極的にプレイしていること」がポイントらしい。要はガン待ちより動きまわってガツガツ行く方がいいのかな?まあ、そのような仕様なので、下手だから…と言わずどんどん参加することをお勧めする。

とはいえ、ガチ系FPSほどではないにしろ腕の差が比較的結果に出るので、あまりに勝てなくても泣かないように。23:00前後を境に修羅の国になっていくような感じなので、最初は早めの時間で試してみた方がいいかもしれない。もしくはとりあえずbot相手に雰囲気を掴んでから参加するとか(「となりの人と」を選択し一人で勝手に開始すれば、相手が全部botになる。botの強さは変更可能)。

ストーリーモードもそうだったが、対戦の方もかなり色々遊べそうでこれはホントいいゲーム、という感じ。さて、どっかの開発者の「日本のゲームはクソ」という発言(自体は問題ない。できれば具体例があれば個人的には面白かった)に乗っかっちゃってた日本のひとたちは、こういうの見てどう思うのかしら。どうせプレイしないのだろうけど。