2010/08/14

悪魔城ドラキュラ Harmony of Despair



XBLAでリリースされるタイトルとしては比較的注目を集めていた(と思う)「悪魔城ドラキュラ Harmony of Despair」だが、1週間ほど前にリリースされた。自分もかなり期待していたので、配信直後にダウンロード、毎晩プレイしつづけて昨日ようやくノーマルをクリアした。やあ、これ面白いよ。公式サイトはこちら


「悪魔城ドラキュラ」シリーズといえばオッサン的には高難度横スクロールアクション、というイメージなのだが、このゲームはちょっと違っていて「成長システム」「アイテム収集」などのRPG的要素を持つアクションゲーになっていた。DSで発売されたシリーズのマップやらキャラクタを用いてリメイクしたもの、らしい。そもそも前述のイメージがちょっと古過ぎるようで、結構前からこういうタイプのゲームになっている、というのが実態のようで。てことで、以下の記述はここ10年ほどの悪魔城ドラキュラシリーズを全く知らない人間による記述であることに注意。


よいところ


まず、HDの解像度を活かしたマップがすばらしい。1ステージはかなり広大な構成になっているのだが、それを一画面に表示してしまう、というアイデアがちゃんと機能している。もちろん、さすがにその画面でプレイするのは厳しいが、繊細な操作が要求される画面では拡大表示、ある程度周辺状況を見つつ進みたい場面では縮小表示といった具合で使いわけが成立する。まぁ、マップおぼえてしまえば拡大表示で十分なのかもしれないが…一部ステージでは、この広さを活かしたギミックも登場する。


つぎに、各ステージのボスがそれぞれキャラが立っていること。あまり詳しくは書かないが、2章、3章あたりのボスは特筆に値する。2章のボスについては、少なからぬオッサンたちが聖飢魔IIを連想することだろう。


これはプレイヤーが操作できるキャラクタにも言えていて、それぞれ特徴の違う6キャラが用意されている。一部似通っていたり、性能差が顕著だったりもするのだが、それも個性だと思える範囲だ。ただ、ちょっと地雷級に辛いキャラが一名存在する。鞭ふりまわしてる兄ちゃんだが、こいつだけは愛がないとダメかもしれない。


RPG的な要素についてもいい方向に作用していると思う。レアアイテム収集のような楽しみ方はもちろんだが、成長要素やアイテム収集といったフィーチャーが、アクションが不得手な人にとってよいアシストとなっている。このゲームでは、キャラが死んでもアイテムその他は全て引き継ぎなので、繰り返しプレイしてキャラを成長させることで勝てなかったボスに対抗できるようになったりする。

さて、アクションゲームであれば「操作性のよさ」というのは大変重要なポイントである。もちろん、あえて一見不自由な操作性とし、それそのものをゲームシステムに組み込むというアプローチもあるとは思うが、積極的にそれを行って成功したゲームというのは少ないのではないか*1。その点このゲームの操作性は非常に良好である。Xbox360のコントローラはこの手のゲームと比較的相性が悪いのだが、それを感じさせないものになっている。おかげで、マップ上のトラップにひっかかっても理不尽さはあまり感じずにすむ。一部のギミックやボス戦では比較的繊細な操作を要求されるのは事実だが、アラフォーのおっさんでもクリアできるレベルである。あ、「しゃがみからのジャンプがスライディングに暴発する」ことがちょっと多いので、これは慣れが必要かもしれない。「暴発」と言っても、原因はちゃんと操作できていないことなので慣れさえすればどうということはない。


わるいところ


まず、とにかく説明不足である。ゲーム中にヘルプはあるのだが、基本的には過去作、とくに基となっている(らしい)DS版プレイが前提であるかのような作りには不満がある。自分もわけがわからずに結局キャラ説明などは攻略wikiなどを見る羽目になった。XBLAという性格上ある程度仕方ないし、各キャラごとにチュートリアルなんざつくってられないのも確かだろうが、せめて公式サイトには詳細な説明がほしかった。


さらに、これは成長要素があるからこそという面もあるのだがやや冗長なきらいがある。自分程度の腕だと意識してキャラを「育て」ないとクリアなんか到底無理って場面が散見された。個人的には育成も楽しめたのだが、これを「作業」と思うひとがいても不思議ではない。


あと細かい点であるが、シングルプレイであってもゲーム中ポーズでタイマが止まらない。このゲーム、制限時間30分以内にクリアする必要があるのだが、このタイマが止まらないのだ。タイマどころか何も止まらないので、ちょっとトイレいって戻ってきたら終わってた、という事態も発生する。これはどうにかならなかったのかなあ。


てなわけで


とりあえず、個人的にはXBLAの中では屈指のお勧めゲームである。難易度も概ね適度であり、クリアした時の達成感もある。おれはラスボスに大変苦労したので、倒した瞬間思わず声を上げてしまった。初心者にはシャノアというキャラクタが比較的お勧めである。最初からそこそこの火力があり、魔法の育成も「使えば使っただけレベルがあがる」というもので、さほど作業的ではない。逆に、ジョナサンはやめておこう。そう、鞭振り回してる兄ちゃんってのがこいつだ。

ただ、おれまだこのゲームの大きな特徴のひとつである「最大6人までのマルチプレイ」を体験していない。まだソロでしかプレイしていないからだ。マップにはマルチ前提のギミックもちらほらあるので、そのうちプレイしてみようとは思っているのだが…ただ、野良だと「超絶に上手い連中がさっさと進行、ボスを瞬殺」ということにもなりそうでちょっとこわい…*2




*1:成功例としてはバルーンファイトあたりが挙げられる。逆に言うと、あのくらい「アイデア一発勝負」じゃないと成功しないんじゃなかろうか


*2:嫁さんがその昔、ディアブロでそういう目にあったと愚痴っていた





2010/08/07

VANQUISH 先行体験会



てことで募集があったので申し込んだところ、運よく通ったVANQUISHの先行体験会。今日開催だったので行ってきたので軽くレポート。ちなみに、この体験会の模様は以下で配信されている:


USTREAM, You’re On. Free LIVE VIDEO Streaming, Online Broadcasts. Create webcasts, live stream videos on the Internet. Live streaming videos, TV shows


軽い場違い感覚


場所はゆりかもめ日の出駅そばのTABLOID。ゲームの体験会やるようなスペースじゃねぇなおいwで、受付をすませて狭い通路でしばし待ち。暑い、暑いよと思っていたら、案内された会場はやたら冷房の効いた小洒落た空間。軽くスモーク、走るレーザー…つかコンパニオンのお姉さんたちは寒いだろうなこれw


参加者はざっと見て60人前後といったところ。今日何回やるんだろう…おつかれさまです。


スタートしてまず、大きなスクリーンを使い操作説明があった。進行は鮎貝健さん。「ヘビメタさん」のあの人、といえばわかる人はわかるはずwどうもARSという主人公が纏うスーツのお披露目イベント的なコンセプトなのだけど、かといって昔のワンダーエッグ的なちょっと気恥ずかしくなるような押し付けはなくてよかった。ちなみに前方には等身大のスーツが。気合入ってるなあ。


いざ!


説明が終わると早速プレイ。20V型程度のモニタにバーチャルサラウンドヘッドホン(ソニーのMDR-DS1000。安いんだけどないより全然マシ。できればヘッドホン部はもうちょっとマトモなやつがよかったけど、それは贅沢すぎるので…)と、かなり豪勢な環境が用意されていた。とくにヘッドホンがあるのは大きくて、いったん入り込めば家でプレイしてるのと大差ない感覚でやれた。


ゲームは一言で言えばカバーアクションありのTPS。武装はそこそこ豊富そうだし、グレネードはダメージ与えるタイプと敵の動きを止めるタイプの使い分けが可能だったり、基本的なところはしっかり押えられていた。ややエイムに癖があるかな、という気こそしたけど慣れでどうにかなる範疇。KILLZONE2みたいな「ふざけんな」感はないので問題は感じられなかった。緊急回避が連続して行えたり、この手のゲームとしてはアクション寄りなところが目立つ。さらに特徴的なのが以下の2つ:




  • ブースト(高速移動モード。スライディングしながらバーニアふかす。イカす!)

  • ARモード(一定の状況で発動するバレットタイムみたいなもの)


これらはエネルギーがある限り無制限に使える。エネルギーが切れてもしばらくすればチャージされるので、割とガンガン使っていける。てか、これ使うとホント世界が変わる。ブーストで遮蔽物に駆け込み、敵の射撃が収まったあたりで遮蔽物を飛び越えARモード発動、周辺の敵を一気に殲滅…なんてのが決まると脳汁出まくる。体験版のステージはザコわらわら→中ボス的な何か→ボスという流れで、この辺の醍醐味が十分に味わえるステージだった。これ、このまま体験版として配信してくれるといいんだけど…


で、ボス。4脚の巨大兵器なのだけど、ある程度ボコると2脚へ変形しやがる。板野サーカスばりのミサイル乱射とか、いやあかっこよかった。頭部の作りがいかにも共産圏の悪役メカ的なのも大変よろしい。初見でなんとかクリアして「あれおれ上手くね?」って思ったのも束の間、その後一度も倒せなかったのは秘密。


あと、細かいところの作り込みが丁寧でいい感じだった。武装変更時のギミック(武器を持ち替えるんじゃなくて、武器自体がモーフィング的に変形する!)、各種エフェクト…ちょっとだけバカスタイリッシュ風味もあり。いや、普通激戦の最中にタバコ吹かすかね?w


てなわけで


自分のプレイが終わってちょっと一休み。画像を何枚かとっといたので晒す。


f:id:atsunov:20100808014037j:image:w240


ARSの勇姿。実際はもっとかっこいい。


f:id:atsunov:20100808014038j:image:w360


会場の雰囲気。


f:id:atsunov:20100808014039j:image:w360


「さあおまえら呟け!」的な。


この後、空いている席でプレイしていいよ、ということだったのでPS3版をちょっと遊んだりw


しかし、操作に慣れれば慣れるほどプレイしたくなるゲームだった。当初期待していた以上によくできていて驚いた、ってのが正直なところ。上手い人の魅せプレイも見てみたい。発売後動画上げる人いないかなあ。


最初はマルチプレイがないというのでちょっとがっかりしていたのだけど、実際にプレイしてみると「これは仕方ないな」というのが理解できた。これだけスピード感やダイレクトな操作性にフォーカスしちゃうとマルチは厳しいだろうなあ。個人的には、マルチに注力するあまりおざなりなシングルキャンペーン、という最近の流れにちょっと辟易していたので、シングルをちゃんと作り込んでくれるのならむしろ歓迎したい。


あと、両機種版に致命的な差は存在しなかった。少なくともプレイして明確に「これ違うんじゃね?ヘンじゃね?」という差はないと断言できる。もちろん全く差がないわけではなくて「色味はXbox360版がわずかに白っぽい(コントラストが低い)」「PS3版でフレーム落ちが微妙にあった」と自分は感じたのだけど、前者は席の場所による照明の違い、後者はプレイ内容などによるものに過ぎない可能性も多分にあるため何とも言えない、というのが正直なところ。この体験会の感想で「○○版の方が明らかによかった」「○○版は劣化」とか言ってる奴がいたら放置でかまわない。そもそもこれまだ製品版じゃないしね。両機種持ちは単純にコントローラの好みで選んでしまっていい。そういやPS3版のデフォはR1で射撃なのでXbox360メインのおれには非常に辛かった。なんでこれがスタンダードになったんだろうね?


閉会後、電子タバコをお土産にいただいた。よく考えたなあこれw


最後に


いや、ホント楽しませていただきました。このような場を設けていただいた関係各位に感謝いたします。





2010/08/06

ArmA2



いや待て、またここ放置プレイしてただろおまえ、という話はさておき。


最近またPCゲーにもぼちぼち手を出している。で、中でも印象的だったのがこの ArmA2 だ。もともと1年以上前にリリースされたものだが、ゲーム内容は「とにかくリアリスティック志向の現代戦FPS」である。


と書くと古いひとは「ああ、Operation Flashpointみたいなもの?」って感じるかもしれない。いや、まさにその通り。そもそも開発元がOFPと同じBohemia Interactive Studioだったりする。そういう意味では、OFPの正統な続編と言える。よくも悪くも…つまり、FPSというよりは軍事シミュレータ的な性格が極めて強い。


あ、公式サイトは以下:


Arma 2 Official Website


よいところ


バランスはよい意味でシビア。基本的に命中弾を食らってはいけない。なぜなら当たりどころが悪ければ即死だから。致命傷でなければ(頭部ないし胸部、腹部へのダメージでなければ)味方の応急処置を受ければ回復可能。とはいえ、当面の敵を無力化できないとなかなか構ってもらえず放置プレイで死亡、ということも多々ある。敵AIも相当賢く、テキトーに相手していると側面に回り込まれて身動きできないまま追い詰められたりする。なので、索敵しながら行動し、相手より先に見つけて有利な状況で接敵、先制攻撃が基本になる。まず要求されるのは超人的なエイム力でもぴょんぴょん飛び跳ねる回避力でもなく、冷静な状況判断になる。


さらに、付属のミッションエディタがやたら多機能。つかちょっとやそっとじゃまるで使いこなせないほど、何でもできる。スクリプトも書けるので、およそ思いつく限りのものは実現できるんじゃなかろうか。ユーザ作成のAddon、MODも多く存在する。


わるいところ


てことで、いい加減反射神経が劣化しているおれのようなオッサンにも楽しめるゲームなのだが、欠点も多い。まず、とにかく重い。OFPを知っているひとならわかると思うが、このデベロッパ、基本的に「現存する最高のハードウェアで標準オプション程度がまぁまぁ動く」ようなものをリリースする。オプション設定を下げることでそこそこのマシンであればプレイできる程度にはなるのだが、いや、まぁなんだ、このご時世になんつー富豪的ゲームなのよっつーね。おれんとこはCPUこそまぁまぁなのだが、ビデオカードがミッドレンジなのでちょっと辛いw


さらに敵AI。OFPのころから欠点として挙げられていた、いかにもコンピュータ的な射撃精度といったものが未だに散見される。ただし、ずいぶん改善されているのも確かであり、遮蔽物を意識した戦術など、このシリーズを知らないひとにとってはその賢さの方が目につくのではないかと思う。


あと、インターフェイスが洗練されていない。これは仕方ない面もあって、やれることが多すぎるゆえの欠点でもあるのだけど、慣れるまではとにかく戸惑うことになる。


てなわけで


当時OFPをプレイして感動したひとなら、ArmA2を買って失敗した、とは思わないだろう。ただし、マシンスペックが低いとゲームにならないことに注意。Steamにアレルギーがなければ、Steam経由で購入するのが簡単確実でよろしいのではないかと思う。その時は、Arma2 とその拡張版がセットになった Arma2: Combined Operation がおすすめ。さらに、8月下旬には最新DLC、Arma2: British Armed Forces も出るよ。


と、何か宣伝みたいになってしまったが、色んな意味で人を選びまくるゲームなのでまぁ興味があればw