2008/10/08

ゲームがうまくなりたい。できれば明日にはスタープレイヤーになってたりしないだろうか。



おもしろい記事を見つけた。


やまなしなひび-Diary SIDE- 日本人は「ゲームが上手くなりたい」と思っていないのでは?


「日本のゲーム市場では、オンライン対戦がキラーコンテンツにはならない」という仮説を出し、その理由を「日本人は「ゲームが上手くなりたい」とは思わないからではないか」とおいて、色々考察されている。たぶん、経験による推測なのでアレだが、前者に関してはその通りだろう。


ただ、後者がその理由ではないだろうし、そもそも後者の意見には同意できない、日本でオンライン対戦がキラーたり得ない原因は単に「『見えない他者』とのコミュニケーションに対する心理的障壁」「家庭内インフラの問題」、さらに「ゲームの楽しみ方の違い」にあるんじゃないだろうか。


以下、テキトーに思うことをつらつらと。「ゲームが上手くなりたいとは思わない」についての考えも。





『見えない他者』とのコミュニケーションに対する心理的障壁


これはかなりいまさら感が強いんだが…傾向として、日本人が感じるこの障壁は英語圏の連中のそれに比べてかなり高い、というのはまぁその通りなんだろう。ただシャイ、というだけではない。日本人は「他者に迷惑をかけてはいけない」という意識が過剰なひとが多く、「よくわかってないのに参加したら迷惑なんじゃないだろうか?」「こんなに下手なのに参加したら迷惑なんじゃないだろうか?」という考えから参加を躊躇うケースも多いようだ。


そこへいくと、英語圏の連中はダイナミックな奴が多い。「ルールなんか知らねぇけど、『オンライン』ってメニューがあったから参加してみたぜ」ってのがゴロゴロいる。で、ホントにルールなんか知らねぇの。え?お前何やってんの?なんでおれに手榴弾投げてるわけ?みたいなのが普通にあったりしてな(笑)。ああいうのは正直うらやましいよ。


まぁ、これは逆に「許容度」の問題であるとも言える。日本ではこの手のひとや態度に対する許容度が総じて低く、あちらではまちまち、つまり即キックするようなひともいれば寛容なひともいる、という感じか。





家庭内インフラの問題


そりゃ近頃はネットワークでお買い物とかフツーになっている。でも、オンラインゲームをプレイするだけのインフラって、そんなにどこの家庭でも揃っているのだろうか?特にコンシューマ機でのオンラインプレイが可能なインフラを持つ世帯なんてまだまだ少数派、ってのが実態だろう、と想像する。





ゲームの楽しみ方の違い


ゲームを楽しむ、といったとき、それに以下の2つがあると思う。




  • 勝つことに価値を見出す。

  • プレイの過程そのものに楽しみを見出す。


もちろん、これはきれいに分割できるものではない。誰しもその両方の成分を持っているだろう。ただ、それぞれの中でどちらに重きを置くか、というものは確実に存在するはずだ。このような視点でオンライン対戦を考えたとき、後者の比重が高いひとは幸いである。よく作りこまれたゲームの多くは、オンライン対戦であってもプレイの過程そのものが十分な楽しさを提供してくれるからだ。ところが前者のひとにとっては辛いことになり得る。




  • 勝つことに価値を見出すが、そのために割くリソース(時間ももちろんリソースのひとつだ)がないひと


や、




  • 勝つことに価値を見出し、またそのためにリソースを割くことができるが、結果を残せないひと


にとって、オンライン対戦はただの苦行となってしまう。いや、もうプレイする前から楽しくないことがわかってしまう、といってもいい。そりゃそうだよ、だって相手は世界だもの。そこでそれなりの勝率を挙げることですら一定の才能が要求される。対戦に限らず、オンラインランキングでも同じことが言える。元記事でも言及されているが、必死になって自分なりにやり込んで叩き出したハイスコアがオンラインランキングでは惨々だった…というのは結構堪えるに違いない。


で、日本人には「勝つことに価値を見出す」ひとが多く、さらに「そのために割くリソースがない」もしくは「割く気がない」ひとが多い、と感じる。ちょっと嫌な言い方をすると「勝たないと楽しくないのだけど、そのためにわざわざ報われる保証のない努力をするつもりはない」ひとが多いんじゃないかと。そういうひとたちにとって、オンライン対戦はさほど魅力的なものとは見えないだろうし、むしろ「オンライン対戦よりオフラインプレイを充実させてくれ」となるのは当然だろう。





ただし、これについては、Xbox Live!が提供するフレンド機能がある一定の解決策を提供している。オンラインランキングを提供している全てのソフトでは、ワールドワイドなランキングとは別に、フレンド内でのランキングを表示することが可能だ。また、フレンド内でのプライベートな対戦も簡単にセッティングできるため「世界中の猛者たち」というスコープを「仲間内」にまで縮退させることができる。これなら世界を相手に感じる絶望感に比べればずいぶんマシだろうし、「あいつを超えてやる」というインセンティヴも働きやすい。


ところが、ここで先に挙げた「『見えない他者』とのコミュニケーションに対する心理的障壁」が邪魔をする。Xboxでフレンドを作るには、実際に知り合いでもない限り「見えない他者にフレンド登録申請を投げる/申請を受ける」必要がある。野良でオンラインプレイするだけでも障壁は高いのにこれはキツいよなぁ…





「ゲームが上手くなりたいとは思わない」?


これはたぶん間違っている。むしろ英語圏の連中以上に「勝ちたい」と思っている。しかし、そのためにリソースを割こうとは思わないんだ、というのがおれの理解…って、たぶん元記事で言いたいことと同じなんだろうなぁ、これ。「同意できない」とかほざいといて何なんだおれは(笑)





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