2013/02/27

Path of Exile: 開発者インタビュー(雑訳文、後半)

現在開催中のイベント、初日の1時間レースイベントに参加したけど、結局ポイントが貰える最低レベル、レベル11に届かず終了…ノープランかつ今まで使ったことのないクラスで参戦というのが甘かった…いや、でもこれ予想よりはるかに楽しかった。ただ、集中力維持できるのはたぶん1時間が限界だなあ。

というのはさておき。

今回は、前に公開したインタビュー記事訳の後半をお届けする。これに限った話ではないが、自分の英語力が極めて貧弱ゆえ大変読み辛い箇所があるのは本当にごめんなさいするしかない。原文見るなり、ニュアンスでわかった気になったりしていただけると幸い。

ちなみに、このインタビューに答えているBrian Weissmanは、GGG公式ページのスタッフ紹介によればエグゼクティブプロデューサーという立場の人物。初期Magic the Gatheringの有名プロプレイヤーで、解説としてESPN2に出演したこともあるとか。「初期のMtGにおいて、もっともよく知られたコントロールデッキのひとつ、The Deckを作った(MTG Salvation wikiのBrian Weissmanより)」そうですがあたくしにさっぱりわかりません。コンピュータゲーマーとしてのキャリアも25年を超えるそうで、こういう人物が在籍しているというのはPath of Exileを長期にわたって維持するにはプラスなんじゃないかなあ。

お約束:しつこく例によって無許可海賊版のため、以下の記述は前触れなしに削除される可能性があります。また、文中に誤りや矛盾があった場合は十中八九訳者の責によるものと思われます。正しい文章は原文を参照してください。

原文はこちら:Path of Exile dalla prospettiva degli sviluppatori


Gamemag: わたしたちはこのゲームのダークで不気味な感じ(とくにダンジョン内)が本当に気に入っています。このジャンルで出ている最近のゲームとはずいぶん違いますね。これは、たまたまそうなったのですか?それとも、現在のトレンドに逆行するよう検討した上での選択なのですか?

Brian Weissman: Path of Exileのダークで不気味な雰囲気はごく初期のコンセプトアートの時点で提示されていました。これは、リードアーティストであるErik Olofssonが2007年に起こしたものです。このゲームが公式な名称を持つより前から、どころかゲームエンジンが書かれる前、最初の社員を雇うずっと前から、われわれはこのゲームがどのような感じになりそうなのかわかっていました。Grinding Gear Gamesの創業メンバー全員、ゲームとしてのRPGが登場したころからプレイしており、このジャンルがより軽い、パステル調の色合いへ向かいつつあるのに批判的でした。

われわれにとって、ファンタジーアクションRPGは気骨ある、血生臭く現実的な経験が全てです。たとえば、どこか遠くでまだ見えない何かがひきずり音をたて、叫んでいる中、暗い廊下を彷徨う感じ。たとえば、漆黒の部屋の隅で、20体の残忍なモンスターに唯一の出口を塞ぐように囲まれ、罠にかかったと理解したときの心臓がとまりそうな瞬間。Diablo2のリリース後、われわれがプレイしたゲームでこのようなフィーリングを感じさせるものはありませんでした。そこで、われわれは自分自身でそのようなものを作り上げることを目標としたのです。わたしは、Act 3後半のエリアはそうした恐怖感、不安感を表現するすばらしい仕事ができたと考えています。

Gamemag: 物語、というのはこのようなゲームにおいて重要な側面の一つです。そのプロットを表現する最も優れた手段のひとつはCGによる映画的なシーケンスだと考えますが、Path of Exileの最終リリースに、CGやゲーム内グラフィックスによるムービーを含めるつもりはありますか?

Brian Weissman: わたしは公式には何も言及しようとは思いませんが、わたしはわれわれが作成する映像は、それがどのようなものであれオープンベータトレーラーのようなものになるのではないかと思っています。このトレーラーは信じられないほど広く受け入れられ、ソーシャルメディアのあちこちへと広く遠く拡散しました。人々はこれをYoutubeに、Facebookにリンクし、Twitterでは際限なく好意的なコメントが続きました。このトレーラーはGametrailers.comで公式にリリースされ、あっという間にその月のトップビデオに上り詰めたのです。

今わたしがこのことを述べたのは、このオープンベータトレーラーへよせられた多くの批評家からの称賛が、われわれがインゲーム映像から離れることなく本当にパワフルで映画的な表現をすることができる、ということを証明しているからです。われわれは大きな予算や、Path of Exileに似た何かを表現するちょっと不誠実なレンダリングムービーを必要としていません。このゲームの見た目が自身を物語っています。わたしは、ゲームエンジンを利用した、ちょっとした映画的表現が見たいのです。ゾーン間の移動ごとにこのような表現を入れるのはゲームを進行している感覚を与え、物語上のキーとなるポイントについて示す助けとなると考えられます。ゲームに登場するNPCは物語を広げるのにかなりよい仕事をしますが、多くの人々は彼らとの会話をスキップしてしまいます。

Gamemag: マルチプレイヤーや対人戦という観点で、Path of Exileの強みはどのようなものでしょうか?

Brian Weissman: われわれは、Path of Exileのマルチプレイヤーメカニクスの多くを他のアクションRPGにならってモデル化しました。プレイヤー数の上限は6人で、これはより大規模なパーティとした場合に比べ、パーティ内の各プレイヤーがより重要な役割を持つことを意味します。パッシブスキルツリーの複雑さは、プレイヤーがグループプレイで行いたいどのような役割でも、ほぼ制限なしに担うことを可能としています。

あるプレイヤーは前線に立ち、敵からの攻撃を一手に引き受け、戦闘の大きな流れをコーディネートする助けとなる重装備の近接キャラクターをやりたいかもしれません。別のプレイヤーは敵の群れにヒット&アウェイし、地雷や罠を仕掛ける回避主体の戦闘員がやりたいかもしれません。また別のプレイヤーは後方に立ち、敵を火の雨や氷のボルトで攻撃し、アンデッドの大群を召喚したいかもしれません。どんな役割であろうと、彼らはグループとしての勝利に貢献していると感じられるでしょう。

われわれは、ソロプレイからフルパーティでのマルチプレイまでスケールするよう、Path of Exileの難易度を調整しています。より多くのプレイヤーが参加すると、敵はその人数に合わせてヒットポイントが上昇し、またルート品も同様に比例します。Path of Exileではルート品について、タイマベースの「自由競争」制を導入したため、素早く反応できるプレイヤーは、ソロでプレイしているときよりかなり多くのルート品を獲得することができるでしょう。

現状でもPath of ExileのPvPは利用可能になっていて、適切なプレイヤーとの戦闘が行えます。あなたは、1vs1または3vs3のアリーナコンバットに参加することができます。現時点ではこのPvPの報酬は存在せず、まだ多くがテスト段階にあります。最終的には、多くのPvPリーグを用意するつもりですが、現状では"Cutthroat"と呼ばれるもの一つだけです。

Cutthroatリーグでは、全員が新規キャラクターを作成し、ある種のレースを開始します。一番最初のマップはそれぞれのプレイヤー自身の世界ですが、街の先からは特別なルールを持つゲーム世界に放り出されます。最大プレイヤー数が6名、というPath of Exileにおける通常のインスタンスと違い、Cutthroatリーグのそれは上限が12プレイヤーとなっています。あなたと同じゾーンにいるプレイヤーはPvP対象としてフラグが立ち、そしてこれこそが最高の部分なのです。Cutthroatで誰かを殺すと、その被害者が持っていたほぼ全てをくすねることができます。Cutthroatは非常にエキサイティングかつコンペティティブなPvP形式で、クローズドベータで短期間実施した際には多くのプレイヤーが集まりました。オープンベータにおいても、すぐに実施するつもりです。このリーグは完全にオプションですし、特定のプレイヤー層にだけアピールするものではありますが、対象となる層はこれを絶対的に好みます。

Cutthroatは、クローズドベータのころにリリースが予定された、たくさんのPvP形式の一つにすぎません。われわれはPath of Exileのゲームとしての寿命を維持する基礎の一つとして、優れたプレイヤーに対し多くのインセンティブと特別な報酬を持つPvPを作るよう計画しています。

Gamemag: アクションRPGとして成功するために重視すべきフィーチャーの一つがエンドゲーム、つまりゲームクリア以降にプレイするための動機付けです。あなたがたはエンドゲームへの取り組みを既にはじめていますか?

Brian Weissman: もちろん! 最初の方で述べたように、Path of ExileはこれまでのアクションRPGに見られる中でもっとも革新的でユニークなエンドゲームシステムを持っています。もちろん、わたしが今話したのはマップシステムのことです。「Merciless」と呼ばれる3番目の難易度を突破しようというプレイヤーは、「Map」と呼ばれる古の石版の欠片を見つけるようになります。Path of Exileの他のベースアイテムと同様に、マップは通貨アイテムによってマジック、レア、もしくはユニークにすら変更することができます。マップが修正値を持てば持つほど、それはプレイヤーに大きなチャレンジ、そして大きな報酬をもたらします。

レギュラーゾーンの最高レベルはレベル64あたりなので、より上を望んでいるプレイヤーはマップを利用することを選ぶでしょう。さいわい、マップは信じられないほどのバラエティとほぼ無限のリプレイ性、そしてゲーム中最高のルート品への道を提供します。

マップシステムの上には、バラエティに富んだ「リーグ」イベントが計画されています。リーグとは、プレイヤーが参加できる短期間のゲームで、それぞれ固有のルールと報酬が用意されています。リーグのなかには、一般プレイヤーが通常プレイしているものもあります。われわれは定期的に広範囲のレースイベントを開催します。そこでは、そのリーグに参加する全員が新規にキャラクターを作成し、それから1週間にわたり、一番高いレベルを目指し競争します。その週の終わりに、そのリーグだけの特別な賞品が優勝者に与えられ、レース用のリーグに参加した全てのキャラクターが一般の「デフォルトリーグ」に転送されます。

また、プレイヤーはマイクロトランザクションショップで、自分がホストとしてフレンドを招待可能な特別なリーグを購入できます。このリーグに対してわれわれが賞品を提供する予定はありませんが、プレイヤーたちが自分たちで賞品を設けることができるようにするつもりです。これによって、プレイヤーたちはお互いにさまざまな奇抜なルールを使い、提供したいと思うものは何でも賞品にして競争ができるようになります。これらにさらに付け加えるとしたら、Path of Exileにおける「エンドゲーム」というのはちょっとした誤称である、ということでしょう。われわれは決して本当の意味でのエンドゲームは持たず、単にわれわれが新しい何かを作るまでの「現時点での」コンテンツである、ということに過ぎません。われわれは何年にもわたってPath of Exileの世界を拡張していこうという強い意志を持っており、エンドゲームは常に変化しつづけるでしょう。

Gamemag: アクションRPGのベテランプレイヤーからの質問です。過去、Diabloの最初の2チャプターが、アクションRPGの基準を定義しました。これがあなたがたの重要なレファレンスだったことは、あなたがたの作り出したものからして明らかです。Diablo 3は支持者の期待を多少なりとも裏切りましたが、わたしたちはあなたがたのゲームが代わりに彼らを完全に満足させられると考えています(RPGとしての深さ、スキルカスタム、ハードコアゲーマーへの配慮、オークションハウスがないこと、グラフィックス…)。Diablo 3のリリースは、あなたがたのプロジェクトへどのように影響しましたか?

Brian Weissman: その件に関して本当のことを言うと、われわれがPath of Exileの開発を始めた時すでにDiablo 3は予期されているものでしたが、それはたとえば「自分たちはPath of Exileを作れるだろうか?」「いつ作れるだろうか」といった類の問題に比べれば取るに足らないことでした。そして、われわれがPath of Exileの基本的な骨格を構築したころ、開発を始めて2年ほどたったころ、Diablo 3制作が正式に発表されました(訳注:こちらのサイトによれば、2008年6月らしい)。

そんな、考えただけで気が重くなるような競争相手の追撃に怯えるより、われわれは自身のゲームを際立たせることに集中しました。初期のゲームプレイ動画から、われわれはBlizzardがDiablo 3で(われわれとは)非常に異なる違う美学を選んだということがわかりました。つまり、Path of Exileのダークでゴシック、成熟したファンタジースタイルとは別物だった、ということです。月日が経つにつれ、Diablo 3の詳細がどんどん公になっていくと、われわれは、Diablo 3はこのジャンルの多くのファンを失望させるかもしれない、と考えました。この予測は真実であることがわかり、われわれのゲームは多くの難民プレイヤーを受け継ぐことになりました。彼らはARPGに飢えたプレイヤーたちであり、それを満たすためによりよいゲームを探していました。

結局のところ、われわれはDiablo 3はPath of Exileにとって恵みとなる存在だった、と感じています。Diablo 2 と 3 には10年以上のギャップがあり、これは言ってみればその間に何百万ものゲーマーが成人するような期間です。彼らの多くはDiablo 3が出るまでARPGをプレイしたことすらないでしょうが、前作の名声は彼らをこのジャンルに引き寄せるだけのものがありました。そんな彼らがDiablo 3をプレイするのにうんざりし始めたころ、われわれのゲームがF2Pという選択肢として待っていたのです。それ以外には、Diablo 3はPath of Exileに対し直接的な影響は与えていません。われわれは自分たちのゲームに対するビジョンに忠実でありつづけました。そして、「われわれがビジョンに忠実である」ということが、プレイヤーたちが慣れ親しんでいないメカニクスを含んでいることを意味していたとしても、彼らはそのビジョンをリスペクトしていると気付きました。(訳注:ここでいう「プレイヤー」とは、先に出てきた「Diablo3以前にはARPGなんてやったことないであろう彼ら」を指しているのであって、おれのようなロートルではありません。たぶん。)

Gamemag: 将来的に、イタリア語バージョンがリリースされると期待してもよいでしょうか?

Brian Weissman: われわれは将来、Path of Exileを可能な限り多くの言語にローカライズすることを見込んでいます。なので、イタリア語バージョンもきっとあるでしょう、と言っておきます!

Gamemag: インタビューに答えてくださり本当にありがとうございました。Path of Exileはプレイヤーを掴むのに必要な全てを持っているように思いますが、うまく行くことを祈っています。

Brian Weissman: いいえこちらこそ。すばらしい質問にたいへん感謝しています。このようなインタビューをしていただけるのは本当にうれしいことです。あなたのレポートを読むのを楽しみにしています。

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